この記事では、SAP SuccessFactors学習管理システムの概要と、学習管理システム(LMS)と学習体験プラットフォーム(LXP)のネイティブ統合のメリットについて説明します。また、Udemy BusinessのウェブアプリケーションとSuccessFactors環境を統合するための手順も提供します。
目次
- 概要
- ユーザーのコース完了状況の確認
- 統合のメリットと機能
- 連携の手順
- SuccessFactors OCNの設定
- Open Content Networkの同期
- コンテンツのインポート > Open Content Network(必須)
- Udemy LMS/LXP連携を有効にする
- コースカタログと進捗状況の同期を有効にする
- SuccessFactorsロケールを管理する
- Udemy Businessシングルサインオンを有効にする
- 連携をテストする
- 質問またはサポート
概要
Udemy Businessコレクションの価値を向上するため、UdemyはSAP SuccessFactorsの学習管理システムと提携しています。Udemy Businessのコースの検索性と追跡性を向上するために、SuccessFactorsとの連携をネイティブにサポートしています。SuccessFactorsの学習管理システム(LMS)および学習体験プラットフォーム(LXP)との連携をネイティブにサポートすることで、学習者はSuccessFactorsの学習管理システムから直接、Udemy Businessのコンテンツを検索し、利用できるようになります。
メモ: LMS/LXPの連携はエンタープライズプランでのみご利用いただけます。
ユーザーのコース完了状況の確認
管理者は、Udemy Businessでの完了済みアクティビティに関するレポートデータをSuccessFactors LMSで簡単に確認することができます。Udemy BusinessコースのディープリンクURLとシングルサインオン(SAML 2.0経由)により、SuccessFactorsから直接Udemy Businessコースをシームレスに開始できます。コースの完了状況は、Udemy Businessと学習者のSuccessFactorsトランスクリプトの間で毎日、自動的に同期されます。
統合のメリットと機能
- 学習者は、SuccessFactors LMS環境から直接、Udemy Businessのコンテンツを検索して利用できます。
- 学習者のコースの完了状況が、自動的にSuccessFactorsのトランスクリプトと同期されます。
- 管理者は、Udemy Businessの環境とSuccessFactors LMSを簡単に連携させることができます。
- コースカタログの同期
- 学習者のコース完了状況の同期
- SuccessFactorsに組み込まれたSSO、または専用IDおよびアクセス管理システム(例: Azure、Okta、AD FS)を経由したシングルサインオン。
コースカタログの同期 | 学習者のコース完了状況 | 認証 |
はい: API経由で毎日。 | はい: dAPI経由で毎日。 |
はい: IDおよびアクセス管理システム(例: Okta、Azure、AD FS)を使ったSAML 2.0シングルサインオン(SSO)を推奨。 メモ: SSOを設定するときは、ユーザーのSuccessFactors BizX IDをUdemyBusinessのlmsUserID(SAML申請属性)にマッピングする必要があります。 |
連携の手順
Udemy BusinessのウェブアプリケーションとSuccessFactorsの環境を連携させるには、両方のシステムで設定が必要です。SuccessFactors環境において、SuccessFactorsのOpen Content Network(OCN)を使って連携を有効化する必要があります。おおまかな手順は以下の通りです。
- 手順1: SuccessFactors OCNをUdemy Business用に設定する。以下の作業を行います。
- Udemy Business用にOCNプロバイダーラベルを設定する
- Udemy Business用にOCNプロバイダーを有効化する
- Udemy Business用にプロバイダーロゴを設定する
- OCN管理者ロールを作成する
- OCN管理者ユーザーを作成する
- OCN OAuth認証情報を作成する
- 手順2: Udemy Business LMS/LXP連携を有効にします。Udemy Businessの管理者ポータルで、LMS/LXPとSuccessFactorsとの連携を有効にします。手順1のSuccessFactors APIパラメーターが必要です。連携を有効にするには、Udemy Businessに以下のパラメーターが必要です。
- クライアントID
- クライアントパスワード
- OAuthのユーザーID
- SuccessFactors環境のベースエンドポイントURL
以上のパラメーターを保存すると、Udemy Businessが検証します。
- 手順3: SSOを設定します(任意)。
- Udemy Business用に組織のIDプロバイダー(IdP)を設定する
- Udemy Business用に組織のSSO接続のSSOを設定する
SuccessFactors OCNの設定
プロバイダーラベル
すべてのOCNプロバイダーについて、ラベルをProviderIDに添付することを推奨します。ProviderIDはコンテンツプロバイダー用の固定テキストIDで、人が読めるのがラベルです。
OCNプロバイダーラベルの作成についてのSuccessfactorsの参考資料: https://help.sap.com/viewer/9d4c9e0d04304afdbe8f1b4480d71403/2005/en-US/4ae2f73d864d4282a909bdf5143e2b58.html
SuccessFactorsで「label.u.UdemyForBusiness」を作成します(「References」 > 「Manage Labels」 > 「Labels」)。
OCNプロバイダーを有効化
ProviderIDは、固定のテキストIDで、「System Administration」 > 「Configuration」 > 「System Configuration」 > 「Open Content Network」で設定します。ラベルは以下のとおりです。
providers[UDEMY].enabled=true providers[UDEMY].name=Udemy Business providers[UDEMY].label=label.u.UdemyForBusiness providers[UDEMY].syncCourses=true providers[UDEMY].baseLaunchUrl=https://<udemy portal>.udemy.com providers[UDEMY].pricingModel= defaultValues.markCompleteOnLaunch[UDEMY]=false |
メモ1: 「providers[UDEMY].baseLaunchUrl=https://<udemy portal>.udemy.com」は、組織固有のUdemy(UB)ドメインにします。
メモ2: 「[UDEMY].enabled=true」に設定すると、プロバイダーが有効になります。
メモ3: OCNの連携はUdemy Businessが初めてという場合は、さらに3つのパラメーターを設定する必要があります。各パラメーターに設定する値については、以下のパスに従います。
- defaultValues.itemType[default]: 「References」 > 「Learning」 > 「Item Types」 > 「Do a blank search」 > 必要なアイテムタイプを選択し、OCNプロパティファイルの値パラメーターに追加します。
- defaultValues.itemCompletionStatus[default]: 「References」 > 「Learning」 > 「Item Completions」 > 「Do a blank search」 > で必要な項目完了を選択し、OCNプロパティファイルの値パラメーターに追加します。
- defaultValues.domainID[default]: 「System Admin」 > 「Security」 > 「Domains」 > 「Do a blank search」 > でアイテムを作成するデフォルトのドメインを選択し、OCNプロパティファイルの値パラメーターに追加します。
以上の値はSuccessFactorsの導入環境ごとに異なります。どの値を使用するかについてUdemy Businessから指示することはできません。不明な点がある場合は、SAP SuccessFactorsのサポートまで問い合わせてください。
プロバイダーロゴ
各コースにサムネイル画像を透かしとして設定できます。設定はSuccessFactorsで行います(「System Administration」 > 「Configuration」 > 「System Configuration」 > 「Open Content Network」 > 「Logos」)。
OCN管理者ロール
この手順では、OData API をコールするロールを作成します。設定は、「System Administration」 > 「Security」 > 「Role Management」で行います。必要な権限(または古いバージョンの場合のワークフロー)は以下のとおりです。
- 履歴レコードを追加する(古いバージョンの場合は学習イベントを追加する)
- IdPカスタム属性ではなく、OData APIを同期する場合は、Search Successfactors OData APIサービス経由でユーザーに問い合わせるための権限がUdemy Businessに必要です。
OCN管理者ユーザー
APIの呼び出しに管理者ユーザーが必要です。このユーザーに、事前に作成したOCN管理者ロールを割り当てます。ユーザーの作成は、「System Configuration」 > 「Security」 > 「Administrators」で行います。
OAuth認証情報
この手順では、SuccessFactors OAuth Client IDとClient Secretを作成します。SuccessFactorsで発行します(「System Configuration」 > 「Configuration」 > 「OAuth Token Server」)。メモ: 新しいパスワードを発行すると、すでに発行したパスワードがすべて無効になるので注意してください。既存のOCNプロバイダーが有効の場合は、同じトークンを使うか、すべてのプロバイダーに新しいトークンを再発行できます。
Open Content Networkの同期
SuccessFactorsには、OCNコンテンツを更新するように設定する自動的な手順が用意されています(「System Administration」 > 「Automatic Processes」 > 「Open Content Network Content Synchronization」)。コースのメタデータが同期され、非アクティブなコースが消去されます。非アクティブなコースでも、インポートステータスが「Imported」でOCN に登録されている場合は、完了レコードを受け取ることができます。
コンテンツのインポート > Open Content Network(必須)
すべてを正しく設定したら、SuccessFactorsにBusiness Udemyのコンテンツをインポート(ラーニングアイテムに変換)できます(「Learning Administration」 > 「Content」 > 「Open Content Network」セクション)。この手順は、完全な統合を完了するうえで重要であるため、省くことはできません。
メモ:
- SuccessFactorsからUdemy Businessコースを開始し、SuccessFactorsでUdemy Businessコースの修了を追跡するには、この手順を完了する必要があります。
- このプロセスは自動的には繰り返されません。Udemy Businessの新しいコースは、定期的にSuccessFactorsにインポートして、カタログをUdemy Businessのコンテンツで常に更新する必要があります。
- 貴社のビジネスと学習の統合ニーズに基づいて、手動インポートの頻度を決定できます。
- SuccessFactorsを統合しているほとんどの学習組織は、このプロセスを毎週繰り返しています。
Udemy LMS/LXP連携を有効にする
このセクションでは、Udemy BusinessとSuccessFactorsの連携方法について説明します。まずSuccessFactors OData APIsを有効にし、 SuccessFactors側の環境(例: ステージ、パイロット、本番)のベースURL、APIクライアントID、クライアントパスワードを入手します。その後、Udemy Businessでの設定を行い、以下の手順でコースカタログ とユーザーの進捗状況を同期します。
以下のOCN OAuth認証情報とOCN管理者ユーザー情報が必要です。
- クライアントID
- クライアントパスワード
- OAuthユーザーID: OCNAdmin
- SuccessFactors環境のベースエンドポイントURL
前提条件:
- 本書の前述のセクション「OAuth認証情報」に記載されている手順に従い、SuccessFactors環境でOData APIsを有効にします。
- SuccessFactors環境のAPIパラメーター、(a)ベースURL、(b)APIクライアントID、(c)クライアントパスワードを入手します。
コースカタログと進捗状況の同期を有効にする
- Udemy Businessのウェブアプリに管理者としてログインします。
- 管理 | 設定(右上のメニュー)へ移動します。
- 左側のパネルでLMS/LXP連携を選択します。
- 設定を開始ボタンで、SuccessFactorsを選択します。
- SuccessFactorsから入手した、ベースURLエンドポイント、クライアントID、クライアントパスワードを入力します。
- ユーザーIDにOCNAdminを入力します。
- 設定を保存するをクリックします。SuccessFactors APIsの有効になるとUdemy Businessに確認のメッセージが表示され、次にSuccessFactors連携のステータス画面が表示されます。学習者のコース完了状況がUdemyとSuccess Factorsの間で同期されるようになります。
- SuccessFactors環境にUdemy Businessコースカタログリストが表示されるまでに24時間かかります。
- SuccessFactors環境にUdemy Businessカタログが表示されたら、SuccessFactorsコースカタログにコースをインポートする必要があります。
SuccessFactors指定ユーザーは、コースのインポート後、Udemy Businessカタログでコースを検索し、専用のUdemy環境で受講することができます。
メモ:
- 手順9は自動的には繰り返されません。Udemy Businessの新しいコースは、定期的にSuccessFactorsにインポートして、カタログをUdemy Businessの内容で最新の状態に保つ必要があります。
- 組織のビジネスと学習の統合ニーズに基づいて、手動インポートの頻度を決定できます。
- SuccessFactors を統合しているほとんどの学習組織は、このプロセスを毎週繰り返しています。
SuccessFactorsロケールを管理する
SuccessFactors LMSでは、コースのタイトルと説明は、設定したロケールのみで表示されます。Udemy Business定額制プランで、複数の言語およびロケールへのアクセスが可能な場合は、Udemy Businessコンテンツによっては、検索結果にタイトルと説明が表示されないことがあります。検索しているロケールと、Udemy Businessコンテンツのロケールが一致していないことが原因です。タイトルと説明が表示されるのは、ユーザーが指定した、SuccessFactorsのロケールのコースに限られます。
たとえば、SuccessFactorsのロケールを英語に設定している場合は、すべての英語コースについて、コースのタイトルと説明が表示されます。
- SAPのサポート記事: https://apps.support.sap.com/sap/support/knowledge/en/2391802
- SAPのサポート記事: https://apps.support.sap.com/sap/support/knowledge/en/2753501
タイトルと説明のロケールのデフォルトを依頼するには、SuccessFactorsサポートチームにケースを送信してください。
以下の言語で提供されているUdemy Businessコースのタイトルと説明を表示するには、SuccessFactorsでロケールを設定する必要があります。
- アラビア語
- 英語
- フランス語
- ドイツ語
- インドネシア語
- イタリア語
- 日本語
- 韓国語
- 標準中国語
- ポーランド語
- ポルトガル語
- ロシア語
- スペイン語
- トルコ語
Udemy Businessシングルサインオンを有効にする
このセクションでは、Udemy Business環境でシングルサインオンを有効にする方法について説明します(サービスプロバイダーまたはSP)。Udemy Businessでは、お客様の所属組織のIDプロバイダー(IdP)を経由する、SP-initiated SAML 2.0をサポートしています。
SuccessFactors固有のユーザーID(BizX UserIDとも呼ばれます)をUdemy BusinessとSuccessFactorsに送信するようにIdPを設定する必要があります。2つのシステム間でユーザーIDが一致しない場合、受講生の行動を追跡する機能は動作しません。BizX UserIDを確認する方法が分からない場合は、担当のSuccessFactors Technical Consultantまで問い合わせてください。
BizX UserIDを確認する
組織のID管理ソリューションをUdemy Businessに接続する場合は、SuccessFactors独自のユーザーID(BizX IDとも呼ばれます)をUdemy Businessに送信するように設定する必要があります。これにより、コースが修了したという情報をUdemy BusinessからSuccessFactorsに戻すことができます。このセクションでは、BizX IDを確認する方法について説明します。
1. SuccessFactorsの操作メニューで、「Admin Center」を選択します。
2. 下にスクロールしてツールパネルを表示し、「Employee Export」と入力して、一番上に表示された結果を選択します。
3. 「Export User File」を選択します。
4. CSVファイルを開きます。
5. 「USERID」値が、SuccessFactorsのそのユーザーのBizX IDです。この値をSAML 2.0 SSOを介して本人確認システムからUdemy Businessに送信する必要があります(申請属性のlmsUserIDとしてUdemy Businessにマッピング)。この「USERID」値の例をSSOの管理者に伝えて、正しいBizX ID(lmsUserID)値をUdemy Businessで使用可能にして、Udemy Businessの学習データとSuccessFactorsが同期されるようにすることをお勧めします。
Udemy Business環境でシングルサインオンを有効にする
IDプロバイダーシステム(Okta、Azure、AD FS、OneLoginなど)でUdemy Business SSOを有効にするには、SSO統合の設定方法に関する指示を確認してください。
お使いのIDプロバイダーシステムで、SAMLアサーションの申請属性としてBizX User IDを追加する必要があります。申請属性のマッピングで、BizX User IDをlmsUserIDにマッピングする必要があります。これが適切にマッピングされていないと、学習アクティビティの追跡が機能しないことに注意してください。
組織がIDプロバイダーシステムを導入していない場合は、IdPとしてSAP SuccessFactors SSOをお使いください。この方法を使用するのは、IDプロバイダーシステムを導入していない場合か、Udemyソリューションのエンジニアが推奨する場合に限られます。SuccessFactorsをUdemyのプロキシIdPとする場合は、まず、添付のUdemyメタデータを使用してSuccessFactors環境のSSOを設定します。
Udemy SSOの設定前に必要なもの:
- SuccessFactors環境のメタデータファイル。このファイルには、SuccessFactorsのシステム用のSSO設定(例: 企業ID、 SSOエンドポイント、証明書)が格納されています。
- Udemy Businessウェブアプリケーションへの管理者のアクセスUdemyのSSOを設定できるのは管理者のみです。
連携をテストする
Udemy BusinessとSuccessFactorsの各APIとSSOを設定したら、Udemy BusinessとLMSの連携をテストします(詳細)。
質問またはサポート
Udemy BusinessのSSOやLMS/LXP設定について問題が生じた場合や、サポートをご希望の場合は、サポートチームにお問い合わせください。SuccessFactors関係の問題については、担当のSuccessFactorsサポートチームまでお問い合わせください。